瞬きさえも忘れていた。
泣きません!
今日は朝から雨が降っていた。
激しくはないんだけど、やっぱり雨ってうっとうしい。
陰鬱な気分に出社意欲が折れそうになるも、通勤電車に乗り込んでしまえば後はもう、惰性に身を任せるだけ。
今週は岩本さんが日勤だから、と。
視界の悪い車窓を眺めながら、そんな風に自分自身に言い聞かせた。
お昼前に、工場長に頼まれていた組合会議のレジメが出来上がったので、工場へ届けに行った。
事務所から工場までは50メートルも離れていないんだけど、それでも傘なしでは濡れてしまう。
工場に入った所で傘を閉じ、壁に立て掛けた。黄色を基調としたチューリップ柄のそれは、私のお気に入りだ。