瞬きさえも忘れていた。
「『灯台下暗し』って言うじゃん。てかさぁ、社員規約に職場恋愛禁止、なんてないんだから、もしバレても別に問題なくね?」
ヘラッと笑って、甲本さんは何でもないことのように言う。
「職場恋愛って……。私、甲本さんと恋愛するつもりなんか、ありません。帰ります」
甲本さんが車を停車させるのも待たず、助手席のドアを開けた。けれど降りようとしたら、すかさず手首を掴まれ引き留められる。
「ここまで来て、そりゃねぇだろ?」
苦笑しながら溜息混じりに言う甲本さんに、
「放してください」
とキッパリ言い放って、その手を振り解こうとしたけど……。
案外キツく握られていたみたいで、そう簡単にはいかなかった。
「恋愛するとかしないとか、そんな堅苦しく考えなくてもいんじゃない?」
私の必死さなんかお構いなしで、甲本さんは顔をくしゃっとさせて笑う。
ヘラッと笑って、甲本さんは何でもないことのように言う。
「職場恋愛って……。私、甲本さんと恋愛するつもりなんか、ありません。帰ります」
甲本さんが車を停車させるのも待たず、助手席のドアを開けた。けれど降りようとしたら、すかさず手首を掴まれ引き留められる。
「ここまで来て、そりゃねぇだろ?」
苦笑しながら溜息混じりに言う甲本さんに、
「放してください」
とキッパリ言い放って、その手を振り解こうとしたけど……。
案外キツく握られていたみたいで、そう簡単にはいかなかった。
「恋愛するとかしないとか、そんな堅苦しく考えなくてもいんじゃない?」
私の必死さなんかお構いなしで、甲本さんは顔をくしゃっとさせて笑う。