瞬きさえも忘れていた。
「本当にごめんなさい。今日はありがとうございました」
早口で言い放って、素早く助手席から降り立った。
「待てって、梨乃ちゃん! 駅までおく……」
甲本さんの言葉を最後まで聞かず、急いでドアを両手で押して閉めた。
一体自分がどこに居るのか、地理的なことはさっぱりわからなかったけど、とにかく大通りに出てみたら、そこは会社の前の道だった。
この道を真っ直ぐ、ひたすら西へ向かえば、いつもの駅に着く。
足がもつれそうになるほどの早歩きで、必死になって進んだ。
悔しくて悔しくて、泣きたい気持ちになった。
視界がぼんやり霞んで、慌てて瞬きを繰り返す。
絶対に泣かない。泣いたらダメだ。
自分が悪いんだから。
自業自得なんだから……。
心の中で、何度も何度も自分自身に言い聞かせた。
早口で言い放って、素早く助手席から降り立った。
「待てって、梨乃ちゃん! 駅までおく……」
甲本さんの言葉を最後まで聞かず、急いでドアを両手で押して閉めた。
一体自分がどこに居るのか、地理的なことはさっぱりわからなかったけど、とにかく大通りに出てみたら、そこは会社の前の道だった。
この道を真っ直ぐ、ひたすら西へ向かえば、いつもの駅に着く。
足がもつれそうになるほどの早歩きで、必死になって進んだ。
悔しくて悔しくて、泣きたい気持ちになった。
視界がぼんやり霞んで、慌てて瞬きを繰り返す。
絶対に泣かない。泣いたらダメだ。
自分が悪いんだから。
自業自得なんだから……。
心の中で、何度も何度も自分自身に言い聞かせた。