+学園‡迷宮+
一章

+メロンパンなのです+

それは、ミルクのように甘い匂いと共に舞い込んできた…天使だった。




「転校して来ましたぁ!
姫宮詩本-ヒメミヤ シホォン-なのです!

好きな物は、メロンパンなのです♪」


一瞬、クラスがざわついた。

非、今もざわついている。



そのざわつきは、彼女が変だったからか、彼女が美しすぎたからかは…定かではない。


「姫宮さんは…一番右の机について下さい。」

「はぁいッ♪」



無駄にテンション高かったが皆、それには一歩たりとも触れようとしない。


授業は終わり、当然詩本の周りはすぐに人ごみになった。



「ねーねー。
前、どこに住んでたの?」

「彼氏居るの?」

「一緒に話さない?」


ありきたりな声は、クラス中を飛び交った。



だが、
「まだ引っ越したばかりで忙しいんです♪
ごめんなさいなのです。」
という口実をつけ、詩本は教室を出た。
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