【短編】紙ヒコーキ
次の日――…
あたしは昨日の先輩の様子が気になったのと、自分の行動への後悔とであまり眠れなかった。
『ふあああぁぁ〜…』
「でけーあくび!」
え?
学校へ行く途中、寝不足であくびをしていると斜め後ろから声がした。
『……北村…先輩。』
そこにいたのは北村先輩。
顔にはいつもの笑顔…
「おはよ!」
『おはようございます…』
先輩は昨日のことなんて、なかったかのようにあいさつしてきた。
てゆうか、今までこの道歩いてて先輩に会ったことなんてないんだけどな………
『……あの…』
「ん?」
『先輩、彼女さんいたんじゃないですか!きれいな人ですね♪お似合いって感じで……』
全く思ってもいないことが口から出てくる。
認めたくないことを、無理矢理認めようと自分自身に言い聞かせる。
やば…泣きそう
「…違うから」
*