【短編】紙ヒコーキ
『……え?』
「あれ、彼女じゃない。」
彼女じゃないの?
じゃあ誰!?
「あの女、人のこと俺のダチの名前使って呼び出してさ、無理矢理してきて……」
先輩の顔を見入ってしまった。
ほんとに?
その話はほんとにほんと?
『じゃ、じゃあ!先輩の好きな人ってあの先輩じゃないんですか!?』
「ちげーよ!あんなんとは比べものにもなんねーよ!!」
う……
あの女の先輩、一応きれいな人だった。
あれよりきれいな人?
先輩ってちょー面食い…。
あたしなんて眼中になくて当たり前か…
朝からあたしのテンションは、下がったり上がったり……結局下がってる。
『北村先輩…なんで昨日、あたしのこと追ってきたんですか?』
「…内緒。」
『へ?』
別に内緒にするようなことじゃなくない!?
気になるじゃん!!
*