【短編】紙ヒコーキ
「懍?!どこにいんだ!?」
『ここです!!』
あたしは思わず手を挙げて窓から顔を出した。
「そっから動くなよ!!?」
そう言って、先輩は生徒玄関に向かって行った。
へ?なに?
先輩こっちくるの?
なんで!?
バタバタバタッ
ガラッ!
教室のドアが開いて振り向くと…北村先輩が息をきらせて立っていた。
先輩は無言であたしの目の前まで歩いてきて、トンッとあたしの肩に頭を置いた。
『せ、先輩??』
「…ばか。」
『えっ?』
「こんなもん飛ばすなよっ!」
顔を上げてそう言った先輩が手にしていたのは…あたしがさっき飛ばした紙ヒコーキ
それが広がって書いた文字が読めるようになっていた。
『えっ?なんでそれ……』
「ここに書いてあること本当?」
顔が自分のものじゃないくらい熱くなっていったのが分かった。
『…はい』
*