【短編】紙ヒコーキ
いつもの可愛らしい笑顔で、あたしに向かって言った。
『へ?』
どういう意味?
「その顔は分かってないなぁ〜?」
『ご、ごめんなさい;』
「俺も好きなんだよ、懍のこと!……ずっと前から」
『―――…っ!?』
驚いて声が出ない。
いつのまにか止まっていた涙が、また溢れだした。
「なんで泣く〜?;」
『うっ、嬉しくてぇ〜;;』
先輩はあたしの頭をポンポンと撫でてくれた。
そしてあたしの目の前に4枚目の紙ヒコーキの文字を見せる。
これからもずっと
好きでいてもいいですか?
紙の横からちょこっと顔を覗かせた先輩は――…
「ずっとずっとずっと好きでいてくれますか?」
すごい可愛い目をしてあたしに言った。
『もちろんっ!!!』
そう言うと、先輩は優しく抱き締めてくれた。
*