星の輝く夜空の下で
二人目は中年太りのおばさん
当時、夏芽10歳
おばさんは今時珍しいパンチパーマだった
名前は一檎(イチゴ)
名前だけは可愛かった
出逢いは家の中
夏芽が朝、目を覚ますと隣で寝ていた
寝転がりながら煎餅を食べてテレビを見ていた記憶がほとんどだ
毎日テレビの取り合いをしていて
うるさかったもんだからお母さんが怒った
しかも一檎さんに
一日中テレビ見てるんだからちょっとぐらい我慢しなさい!!って
毎日ケンカしてたけどなぜかいつも一檎さんは夏芽の部屋で寝てた
うるさいイビキもいつしか子守唄になるくらいだった
夏芽はいじめられていたから
一檎さんとケンカするのが毎日楽しかった
しかし一檎さんも突然姿を消した
学校から帰ってきて
またいじめられたって一檎さんに報告して
一檎さんが泣いてる夏芽を笑わせてくれる話をしてテレビを取り合う
という日課が無くなってしまった
一檎さんと過ごした時間は3年
卒業式に行って帰ったらいなくなっていた
もう、いじめられることはないからかなと夏芽は思っている
それから一檎さんには一度も会ってない