星の輝く夜空の下で


「生きる意味?」


星夜が聞いた


「そう、生きる意味をね、朱子が教えてくれたの」


夏芽は転がってた小さな石を蹴った


「へぇ」


石はころころ転がりいつも帰り道に通る川へ落ちていく所まで星夜は蹴られた石を見つめてた


「人は、人を愛するために生まれて来たんだって。友情でも恋愛でも人を愛することに意味があるんだって」


星夜が夏芽を見つめた時、夏芽は薄暗くなった空を見上げてた



「人を愛するため…」

「でも朱子を愛しても意味がないんだって」

「何で?」

「夏芽は生きてる人間なんだから生きてる人を愛さなきゃダメだよって言うの」

「それで、朱子ちゃんを愛してるけどって言ったのか」

「うん、朱子が人間だったら生きる意味をもっと早く知れたのにって。」


星夜は立ち止まって考えた
夏芽が数メートル離れたときに星夜はひらめいて言った


「いいんじゃねーか?」


夏芽が、え?と振り返る


「別に人間だろうが幽霊だろうが愛することにそんな差別は要らないって俺は思う。朱子ちゃんの事好きだって素直に言えば言えばいいんじゃねーか?」


夏芽は少し考えた
そしてまた優しく笑った


「…そうだよね。朱子は親友って言ってもいいよね」


星夜は変に心がドキッとした


「笑うんじゃねーよ…。また台風が来るじゃんか」

「何?」

「いや、何でもない」


次の日天気は大雨になった


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