星の輝く夜空の下で
夏芽はあてもなく
ただひたすら走り続けた
「ねぇ、どこにいるの?」
そんな風に呟いたって
星夜が現れるはずない
時間だけが過ぎてゆく
「ドラマみたいにうまくはいかないか…」
日が暮れてきた
秋だから日が少し短くなったんだ
帰り道の河原に座り込んだ
「あ、一番星みっけ」
空を見上げながら呟いた
いつもなら星夜の声がするのにしない
「一番星見つけて嬉しくなるのも、笑えるようになったのも、人を愛せるようになったのも、毎日が楽しくなったのも全部ムカつくけどあんたのおかげなんだよ。毎日毎日帰り道についてきてキライだったはずなのにいないと寂しくていつもと違う顔をすると気になって幽霊でもキライでも大切な友達なんだよ。だから怖いなら言ってよ。怖いって泣きなよ。笑ったりしないから帰って来てよ!」
河原に夏芽の声が徐々に響く
「星夜!」
「俺の名前呼んでくれたの初めてだな」
後ろから星夜の声がした