星の輝く夜空の下で
「しかし、やっと両思いになったかー」
春実は教科書を揃えて立ち上がった
「なんのこと?」
「いや、夏芽には悪いけど星夜くんがずっと夏芽のこと好きなの知ってたからさ…」
「え⁈そうなの⁈いつから?」
「やっぱり気づいてなかったか。だいぶ前だよ。えっと…あれはあたしの中の予想だけど辻本と付き合い出した頃かな?」
「うわー、全然気づかなかった」
「正直、幽霊と人間の恋を応援するなんて最低だし、バカだなって思ったよ。だけど…」
「だけど…?」
「あたしが守るから二人が両思いになってって思っちゃったんだよね」
「はる…」
「それに辻本キモイしさ!」
「もっかい言って?」
「だから…辻本キモイ…」
夏芽じゃない声に春実は気づき振り返ると辻本だった
「柚木、今度俺にアイスおごれ」
「ごめん、辻本!違うから!なんて言うの?なんか本音が出ちゃった?って言うか?」
「本音なんだ」
「はっ!…ごめーん!」
春実はダッシュで教室を出てった
「ごめん、はるがバカで」
「いつものことだよ。それより彼氏出来たんだって?」
「あ…、うん。ごめん」
「あやまんなくていいよ」
辻本はそのまま教室を出た
このままでいいのかな?
そう思った夏芽は大きな声で言った
「辻本くん!ありがとう!」
「え?」
「好きって言ってくれて。ちゃんとあたしを見て好きって言ってくれた人は辻本くんが初めてだった。すごく嬉しかった。ちゃんと辻本くんが好きだったよ」
辻本はふと笑って
「なんだ、ちゃんと両思いだったんだ。良かった」
「幽霊が見える事も言わないでくれて、あたしの新しい恋も受け入れてくれてありがとう」
辻本はおうと言って教室を出た
夏芽も続いて出た