星の輝く夜空の下で


「はぁ…はぁ…うっ…はぁ…はぁ」


星夜の息切れが屋上に響く


「君は一体何者なんだ?なんで笑うんだ?」


星夜は記憶の奥で笑う女性を思い出した


名前はひかり


顔もハッキリ思い出した


だけどひかりが一体何者なのかは
まだ思い出せない


「どうして今なんだ…?記憶が戻るのはもっと先でいい」


屋上の扉が開く音がした


「あ、ここにいたんだ」


夏芽だった


「何?ずっとここで寝てたの?」

「あぁ、まぁな。お前授業は?」

「なにいってんの?もう昼休憩だよ?寝過ぎ」


夏芽は笑った


「笑うなよ」

「まだ雨降るとか思ってんの?降らないよ」

「うそ」

「何それー!」


夏芽は星夜の頬をつねった


「いってぇー!おまえー!」


星夜は夏芽に仕返ししようとしたがもちろん出来なかった


「よわー」


夏芽はにやけながらパンを食べた


星夜はため息をついて目を腕で隠した


涙が零れたから




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