あの空の音を、君に。



里麻の目が怖いと思ったのは初めてだった。


鋭く光る里麻の目は、獲物をしとめようとしているメスライオンみたいだった。



「涼は――伊月くんのこと、好きなんでしょ。だから里麻に遠慮してるんでしょ」



マシンガンから放たれる弾のように私を攻撃する里麻。



何も言い返せなかった。


全部、里麻の言うとおり。

伊月が好きで、でも、里麻を敵に回すのが怖い。



いつから気づいていたんだろう。


里麻はそうわかっていて、今まで話をしてきたのかな――?


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