あの空の音を、君に。



「最初からわかってた。涼が伊月くんのこと気になってることくらい」



『最初から』


その言葉に、心がチクッとした。


最初っていつ?

里麻に私の何がわかるの?



「いつ話してくれるのかなってずっと待ってた。でも涼、なかなか話してくれないんだもん」



里麻の目は、私を睨んでいた。



それだけで、その場の空気が一度下がった。



私よりうんと小さい体。


それでも、その瞳の鋭さと秘められた意志の強さは、私をひるます迫力があった。


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