あの空の音を、君に。



――――ん?



今、すごいこときかれなかった?


好きな人って言った?



あまりにも唐突すぎて、優花の言葉を理解するまでに十秒かかった。




「すっ好きな人!?」

「その反応、いるんじゃん」



にやっと笑って白い歯を見せる優花。


その笑い方がとてつもなく伊月に似ていて、顔がほてる。


そんなことを考える自分が恥ずかしい。



「あ。今、その人のこと想像したでしょー」

「そんなんじゃないしっ」

「隠さなくていいからー」



もう一度、伊月と同じ笑い方をした。

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