あの空の音を、君に。



「な、な、な……」



舌もびっくりしすぎていてうまく回せないでいる私を「な?」と優花は笑いっぱなしだった。



「なんでわかんのっ!?」


「そりゃあねぇ」



そう言って、私のお弁当の中から卵焼きを手でつかんで口に入れた。


優花によると、私が毎日屋上へ行って伊月と会っていたのはこのクラスでは有名な話だったらしい。


なんでも、里麻がそのことをいろんな人に言っていたらしいけど。


そんなに有名になっていたことに気づかなかったなんて、と自分自身にショックを受ける。



< 114 / 315 >

この作品をシェア

pagetop