あの空の音を、君に。



「伊月、この前落ち込んでたから。何かケンカでもしてんのかなーって」


今度は、優花は爪をいじり始めた。


「待って」と私が優花を止める。



「優花と伊月って、仲いいの?」

「あ、そっか」



私の問いに何かを思い出したかのように優花の目が変わった。

漫画なら、優花の頭の上に電球がピコーンと光っているだろう。





「いとこなの。私と伊月」





優花の言葉に今日何回びっくりしただろう。


びっくりしすぎてめまいがしてきた。


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