あの空の音を、君に。



再び爪をいじり始めた優花は、「それにさー」と話を続けた。



「なんでか知らないけど、家も向かいなんだよね。自然と一緒になっちゃうし」



「初めて会う人にそれ見られたら誤解されちゃうけど」と苦笑い。




ずっと一緒なんだ、伊月と。



発覚した事実に少しうらやましく思う。



その気持ちが顔にでていたのか、優花の感がいいだけなのかは知らない。



「いとこなだけだから。気にしないでよ」



と弁解してから笑った。


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