あの空の音を、君に。



お弁当を食べ終えた私は、フェンスにもたれて空を見上げていた。


里麻が彼氏と昼食を食べるようになってから、こうする事が日課になってしまった。


もう少しで、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。



隣に座っている彼をちらっと見ると、パンと缶コーヒーを平らげ、ケータイをいじっていた。


その姿が、様になっている。




再び私が空に視線を移した瞬間だった。





「なぁ、



 笑うって、どうやったらできんの?」


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