あの空の音を、君に。
「伊月が涼に話してないのなら、私の口からは何も言えない」
はっきりと聞こえた優花の強い意志。
――これ以上は聞けない。
「そっか」
「うん」
私も急いでお弁当を片付けた。
片づけるのにももたもたする私を、優花は何も言うことなく待っていてくれた。
「私の口からは何も言えないけど、さ」
お弁当を片づけ終えた私が立ち上がり、目線が同じ高さになった。
「早く仲直りしなよ。応援してるから」
そう言って笑った顔は、やっぱり伊月の面影があった。