あの空の音を、君に。



ペラペラと新聞をめくっていく。


真面目に読むなんて気はまったくない。




《○○高校吹奏楽部、□△シンフォニックバンドと合同コンサート》


という小見出しが目に入った。



○○高校は、市内にある吹奏楽の名門校だ。

確か、トランペットを吹いていた彼女は、そこに進学したはず。


うろ覚えの私の記憶に答えるように、その記事の写真に、一番高い雛壇に座って楽器を構えている彼女がいた。


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