あの空の音を、君に。



「おはよ」

「おはよ。みのり」



みのりとは当時、彼氏彼女の関係だった。


みのりの明るい笑顔は、誰にも真似できない輝きを持っていた。



「反省会とかつまんねー。さぼろっかな」

「あはっ。さぼるって。また屋上行くの?」

「いや、今日は雨だからなー。やっぱ反省会でなきゃなー」



そんなたわいない会話をしていたと思う。

みのりは相変わらず笑顔でいてくれていたし、俺もそれにつられて笑顔になっていた。



まだ、何の異常もなかった。


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