あの空の音を、君に。



「先生」



俺は絶望の中、口を開いた。




「俺、吹奏楽やってるんです。続けられますか?」





「難しいですね。聴力がなくなることもありますから。音楽家は耳が命でしょう」




一瞬もとまどわずに先生が言った。







その瞬間、俺の未来から吹奏楽が消えた。


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