あの空の音を、君に。



ある日の放課後。



部活を退部した俺がまっすぐ家に帰ろうとしたとき、みのりが話しかけてきた。




「話したいことがあるの」




みのりがそう言ったとき、いつもの笑顔はなかった。



俺はみのりに連れられ、屋上にのぼった。







「別れよう」






屋上についてすぐ、みのりはそう言った。



秋の冷たい風が、俺達をあざ笑っているようだった。


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