あの空の音を、君に。
「私ね、伊月のこと、見損なった。難聴でも、部活、続けて欲しかった」
みのりがそう意思の強い表情で言うから、俺は何もいえなかった。
俺だって、続けたかったよ。吹奏楽を。
吹奏楽は、俺の生きがいだったから。
でも、な。
俺、無理って言われたんだ。
自分の力じゃどうにもなんねぇんだよ。
目の前にいる彼女に、それを伝えたかった。
でも、俺の口はいう事を聞いてくれない。
みのりは何も反応しない俺に嫌気がさしたのか、屋上から静かにいなくなった。
それからだ。
俺が心から笑えなくなったのは――。
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