あの空の音を、君に。
第3章 支え
初カレ
「涼っ!」
顔をあげると、優花の美形が目の前にあって驚いた。
「――優花じゃん」
「テンション低っ。あんた、校内で超有名人になっちゃったよ。――ううん、校外でも!」
そりゃ、周りから好奇の目でじろじろ見られたらテンション下がるのも当然。
っていうか、いつから優花は私のことを「あんた」って呼ぶようになったんだ。
「大げさだよ。校内はともかく、校外なんて」
「大げさじゃないんだって! この前、榎瀬(えのせ)高の子にきかれたの! 涼のこと」