あの空の音を、君に。



「ね、涼。今日遊ぼ」

「え、今日?」

「うん。陸部今日休みなんだぁ」



そう言って、いつも通り白い歯を見せて笑った。

それから、私の表情を見て「あれ?」と首を傾げた。



「乗り気じゃない?」

「あっ、ごめん。今日はちょっと学校残ってくつもりなんだ」

「そっかぁ。何してくの?」



優花の質問に答えるべきか答えないべきか迷った。


でも、それは優花のまっすぐな目で答えざるをえなくなった。


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