あの空の音を、君に。



「海くーんっ!」

「かっこいーっ」



女の子の黄色い声が耳をつんざく。



「海くんって人気なんだね」

「海は中学のときから伊月並みにモテたって聞いてるけど。――っていうか、涼、海と同じ中学でしょ」



優花が隣の女の子たちに冷たい視線を注ぎ込みながら言った。

でも、その子たちはまったく気づいていない。


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