あの空の音を、君に。
「それよりもさぁ、伊月なかなかシュート決めないよね。さっきから海ばっかり」
隣を見ると、優花がぷーっと頬を膨らませていた。
子供みたい、と少し笑ってしまった私に「なによぉ」とさっき以上にふくれっつらになる。
「涼だって見たいでしょ、伊月のシュート」
こっちを見る顔がにやけてるよ、優花さん。
こいつの笑顔はにやけ顔しかないんじゃないか?
「見たいでしょ?」
「うん」
私が素直に答えたことにびっくりしたのか、優花は目を丸くした。
でも、それも一瞬。