あの空の音を、君に。
優花のすらっとした体が動いたと思ったら、形のいいフォームの走り方でサッカー部のコートに近づいていった。
それから、大きな声で叫んだ。
「伊月ーっ! さっさとゴール決めなさいよー! あんたの愛しの涼が見たいってさー!」
一瞬にして耳まで赤くなるのが自分でもわかった。
「ば、ばっかじゃないの!? 優花!」
私が優花をとめに行こうとすると、ぱっと振り返った。
その顔に映える白い歯。
もうっ。