あの空の音を、君に。
無意識のうちに伊月を探していた。
すぐに伊月の姿がわかった。
顔が赤くなっているのもわかった。
すぐ近くにいた海くんにつつかれている。
「ラブラブですねー」
「うるさいっ」
優花が冷やかすから、私は優花の背中を叩いた。
「あれが伊月くんの……」
「そうなんだー。初めて見た」
ちょっと遠い隣から、さっきの黄色い声とは違い、いかにも『ヒソヒソ話』って感じの声で女の子たちが話していた。