あの空の音を、君に。
しばらく3人の昔話をきいて楽しんだ。
海くんが今と変わらず穏やかで優しかったことも、優花が今と変わらずやんちゃだったことも知った。
伊月が根っからの音楽少年だったことも知った。
伊月の過去を話すとき、4人全員が少しだけ暗くなった。
「じゃ、私、今日はこっちから海と帰るから。ばいばい」
「うん。また明日」
「涼に変なことしないでね」
「するかバカ」
最後はやっぱり笑顔で別れた。
2つだけになった影を、夕日の真っ赤な光が黒いアスファルトに映していた。