あの空の音を、君に。



しばらく3人の昔話をきいて楽しんだ。


海くんが今と変わらず穏やかで優しかったことも、優花が今と変わらずやんちゃだったことも知った。

伊月が根っからの音楽少年だったことも知った。


伊月の過去を話すとき、4人全員が少しだけ暗くなった。



「じゃ、私、今日はこっちから海と帰るから。ばいばい」

「うん。また明日」

「涼に変なことしないでね」

「するかバカ」



最後はやっぱり笑顔で別れた。



2つだけになった影を、夕日の真っ赤な光が黒いアスファルトに映していた。


< 183 / 315 >

この作品をシェア

pagetop