あの空の音を、君に。



「今日部活の間ずっと立ちっぱだったろ? ごめんな」



いきなり伊月が謝るから、私はしどろもどろになってしまった。



「謝ることないでしょ。私が好きで見てたんだから」



私が言うと、伊月はさっきと同じように照れていた。



「そういうの反則。かわいすぎる」



伊月は真っ赤な顔を隠すようにそっぽを向いた。

そんなことしたって、真っ赤な耳は少し髪がかかっているだけで丸見えなのに。


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