あの空の音を、君に。

「派手なお出迎えだな」

「うるさい」


声のトーンの低さに、さすがの流星でも固まった。



「何が久しぶりよ。ふざけないでよ」

「おい、待て、涼」



私が教室から遠ざかろうとすると、流星が手首を掴んだ。


小さかったときよりもがっしりしていた。



周りの人たちは、私たちのやりとりを水を打ったように静かに見ていた。





「嫌い。流星なんて、嫌い」





私が腕を振って流星を振り切ると、何かが切れたように走り出した。




「涼！」



優花と流星の、私の名前を叫ぶ声が後ろから聞こえた。




それでも、私はそれを無視して走り続けた。