あの空の音を、君に。
ようやく最上階にたどり着き、勢いよく鉄のドアを開けた。
誰もいない屋上を、冷たい雨が打ちつける。
伊月がいるわけないじゃん。
正気に戻った私は、操られているように雨の中に進んでいった。
バカみたい。
流星から逃げて、何になるの。
体力消耗しただけだ。
来ていたカッターシャツが雨でどんどん透けていく。
屋上を覗く木々は、雨に打たれても強く立っている。
あんな木みたいに立つことなんてできない。