あの空の音を、君に。
しばらく、私も流星も話そうとしなかった。
濡れた髪から雫がしたたり落ちてくる。
「涼、俺に会いたかったんだろ?」
にやっと笑いながら、私の心を見透かしたように言う流星。
なに、こいつ。
「正直に言えよ。会いたくて仕方なかったんだろ?」
「だったら何よ」
流星は昔から、ドSだった。
私をからかっては今みたいににやっと笑う。
私がちょうちょを追いかけて転んだときも、ソフトクリームを落としたときも、流星はいつでも私を変な目で笑っていた。