あの空の音を、君に。



何かが崩れ落ちていく。


この場から消えてしまいたい。

悪夢なんて、早く覚めればいい。



伊月の顔がちゃんと見れない。


涙が頬を伝う。


泣きたいのは、伊月のほうなのに。




「涼、ちゃんと答えろ。柚木とキスしたのか?」



さっきよりも口調が強くなってる。

いつもの伊月じゃない。



「……ごめん」




隣から、深いため息が聞こえた。



< 224 / 315 >

この作品をシェア

pagetop