あの空の音を、君に。



「あっちからだろ?」

「うん」



消え入りそうな声で返事をする私。


何回謝っても許されることじゃない。



「こっち向いて? 涼」



だんだんいつもの伊月に戻っていく。



恐る恐る顔をあげると、伊月の柔らかい髪が前髪に当たっていた。



「そのキス、取り返す」



そう言って、昼休みとは大違いの優しいキスをした。


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