あの空の音を、君に。
すれ違い
その日から、私は口数が少なくなった。
優花は私たちの事情を知っていながらも、今まで通り話しかけてくれる。
いつものたわいない会話。
でも、そこには私の笑顔なんてなかった。
こんな気持ちで笑ったらいけない。
完璧なネガティブ思考に変わった私を、優花は思いっきり心配していた。
「人生いろいろあるから気にすんなって」とか、
「あいつよりすてきな人くらいすぐに見つかるよ」とか、
「笑うって、健康にいいんだって」とか、
「涼が笑ってないと私も笑えないじゃん」とか。