あの空の音を、君に。



「海くんのこと、教えて?」

「え?」

「なんで里麻と別れたの?」



ずっと気になっていたこと。


聞くのが怖かった。



「――里麻?」



海くんの顔に影が差した。


――つらいんだ。

里麻の話をするのが。



「ごめん、海くん。でも私、今聞かないと後悔すると思うから」



少し考えた後、海くんが決心したかのように顔をあげた。



「俺、あれ以上我慢できなかった」


< 240 / 315 >

この作品をシェア

pagetop