あの空の音を、君に。
「里麻が伊月のこと気になってんのも知ってた。でもまだ俺のこと好きって言ってくれてたから何も言わなかったんだけど」
そこで一旦言葉を切った。
2人の間に、生ぬるい風が吹く。
「里麻が伊月とデートしてた。それで、限界がきて、2人で帰ってたとき振った。ただそれだけ」
海くんの表情は、さほど悲しそうでもなかった。
でもきっと、心には大きな傷が残ってる。
彼女が親友のことを好きになるなんて、つらい以外の何物でもない。