あの空の音を、君に。
「私、行ってくる」
我ながら、自分の行動力を尊敬する。
どこまでも単純だ。
「どこに? 里麻?」
「んなわけないじゃん。伊月のとこ」
「里麻のところには海くんが行ってくれるでしょ」と笑うと、海くんが苦笑した。
「ってことで、里麻のことは頼んだ!」
「涼ちゃんってこんなポジティブだったっけ? ついさっきまでしょんぼりしてたくせに」
「これが私なんですー(笑)」
そうだ。前を向かなきゃ。
何度転けようとも、だるまみたいに起きあがるのが私。
あきらめたらそこで終わり。
私は、そんなことしたくない。