あの空の音を、君に。



「今まで、ごめん」




教室に響く里麻の声。


唐突な言葉。

でも、一番素直な言葉だった。



「こんなんじゃ親友失格だよね。伊月くんが好きで、涼を嫉妬しちゃうなんて」



「ごめんね」と、また里麻が小さくつぶやいた。



「私こそ……っ」

「涼は謝らなくていいんだよ。里麻が悪いんだから」

「違うよっ」

「違ってなんかない」



私が反論しようとすると、里麻の強く光る視線が突き刺さる。


< 290 / 315 >

この作品をシェア

pagetop