あの空の音を、君に。
里麻とこうやって真っ正面から向かって話すのは何日ぶりだろうか。
あいかわらず、里麻は天使みたいにかわいくて、美しい。
その美形が、今、私の言葉のせいでゆがんでいる。
「いつからわかってたの?」
「気づいたのは最近」
私が里麻の問いに答えると、里麻はあきらめたようにため息をついた。
「里麻ね。海のこと好きだった。誰よりも大好きだった」
心の底から絞り出すような声が、目の前からあふれている。
みるみるうちに、里麻のきれいなつぶらな瞳が涙で潤っていった。