あの空の音を、君に。



きき違えるはずがない。

あの人の音は、他の人の音とは全然違う。



ずっとききたかった。

ずっと待ち望んでいた。



その音色が今、私の耳に届いた。




音の流れがとまった。



気がつくと、目の前に続く階段の上部に、人影があった。




「流星――」

「涼」




そこには、一年前と同じ、私の幼なじみの流星がいた。


< 303 / 315 >

この作品をシェア

pagetop