あの空の音を、君に。



腰をおろして数秒しかたっていないのに、岡村さんはすでに手に持っていたパンにかぶりついていた。




「今日もお弁当じゃなくてパンなんですか?」



お弁当はないのかな、と心の中でつぶやいた。



「ん? そーだよ。
今日はあんパンと焼きそばパン」



ちょっと待ち望んでいた答えとちょっと的が外れた。



「毎日パンなんですか? お弁当とかは?」



くじけず、もう一度クエスチョン。



「うん。焼きそばパンは必須ね。明日はカレーパンと焼きそばパンの予定」



またもや空振り。


この人は、パンのことしか頭にないのだろうか。


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