あの空の音を、君に。
「そーいやさぁ、
俺、深山さんのアド教えてもらってねぇよな?」
いきなりの質問に、箸でつかんでいたミニトマトを落としそうになった。
「え……、あ、はい」
「教えて」
ポケットからケータイを取り出した岡村さんは、「赤外線ね」とつぶやくように私に言った。
私は急いで(それでも落とさないように)ミニトマトを口に放り込み、慌ててケータイを取り出す。
こんな嬉しいチャンスが来るなんて。
しかも、向こうから。
今この瞬間、頭の中で天使たちが嬉しそうに飛び回っているくらい、ここ最近で一番ハッピーな気分になった。