あの空の音を、君に。
「俺、受信のほうでいい?」
「あ、はい」
それをきくと同時に、岡村さんは自分のケータイをこっちに近づけてきた。
私も自分のケータイをあっちに近づける。
ディスプレイに「送信完了」の文字が映された。
「ありがとー」
「いえ、こちらこそ」
お弁当を食べるために、ケータイをポケットにしまう。
岡村さんはそのままケータイを右手でいじりながら、左手で器用にパックのコーヒー牛乳をあけて飲み始めた。