あの空の音を、君に。
「返事しなさいよー! いーつーきー!」
「ちょっ! 恥ずかしいからやめろよ!」
そういって、私のほっぺたをむぎゅっとつねる伊月。
「わ! 変態ー!」
「誰が変態だよっ」
私が真っ赤になっている伊月のほっぺたをつねり返すと、今度は鼻をつかんできた。
「あっ、ちょっ、鼻つぶれるっ」
「ざまーみやがれー」
からかいながら笑う伊月。
つられて笑う私。
こんなに男子とふざけあってるなんて、自分が自分じゃないみたい。
そんな私達を笑うかのように、若葉の木々たちが風に揺られていた。